ラジ オ少年Y その後3 (その2の続き)

母の法事で九州に帰った際に, K君とN君と再会した.
次に会うときには, N君の戦艦の模型とK君の風景画を見せてもらうことにしていたが, 両方とも叶った.

前回同様, 門司駅で待ち合わせ. 1年ぶりなので, 前回ほどのドキドキはなかったが, やはり二人が現れるのが待ち遠しかった.

まず, 門司港レトロに行こうということになり, N君の車で昔の電車道を通っていった. こんな狭い道に路面電車と車が同居していたんだなぁ,. とか, 車中から懐かしい建物などを眺めながら, 門司港に着いた. 戦前は軍港として, 戦後は鉄鋼や石炭の積み出し港として門司港は栄えていて, 九州の玄関と言われていたものだった. 今は, 銀行の支店なども撤退して, 観光に舵を切って, 「門司港レトロ」として生き残りをかけている.
http://www.retro-mojiko.jp/asobu/kankou_kankou.html

その前に, 和布刈(めかり)公園に行き, 関門海峡を眺めた. 下の写真は関門橋で九州自動車道と中国自動車道とを結んでいる片側3車線の橋である. 手前が門司で向こう側が下関である.



門司港レトロの駐車場に車を停めて, K君, N君と予てからメールで話題にしていた「焼きカレー」を食べることにした.
停泊している船がレストランになっていて, 多少波が高いこともあって, 船が揺れていた. 私は船が苦手なので心配だったが, 酔うほどの揺れではなかった. そこで注文したのが, 写真の焼きカレー. シーフード満載で, 熱くて, フーフー言いながら食べた.



少し歩いて, 門司を時計回りに廻ってN君の家のある小倉に向かった. 昔は, 門司の四国寄りの地域を裏門司と呼んでいた. どちらかというと表日本に属していると思うが, 栄えた地域が「表」で, そうでない地域を「裏」と呼んだのだろう. 今では, 表日本とか裏日本という言い方もなくなったが, 「裏」と呼ばれた人はあまり気分がいいものではない. (「裏日本」は, 今では放送禁止用語になっているとのこと)
今では, 広い道路が開通していて, 「裏」というイメージはなくなった. 長い間門司に住んでいながら, 昔, 「裏門司」と呼ばれた地域と小倉とがどのようにつながっていたのか, 今になって, ようやく分かった.

N君の家のある付近は, 昔は市の中心部から遠いイメージがあったが, 住宅が建ち並び, 大きなショッピングモールなどもあって, 立派な都会となっていた.
N君の家に着いて, 2階に案内された. そこには, 立派な工作室があって, そこで船を作っていた. 当初は, プラモデルのようなイメージを予想していたが, 全くその予想を裏切った. 要するに, (うまく説明できないが)船を最初から作るのである. 図面を書いて, 部品から作り, 船の内部(船艙)にはきちんとリブが通って, 全体を支えている. 細部の部品も, 既製品はない(あるかもしれないが)ので, 全て手作りである. 例えば, 甲板の2階とか3階の手摺りは細い針金から組み立てていく. 年寄りにはちょっと辛い作業だと思うが, その出来ばえを見る限りはその心配はなさそうである.



上の写真は, 船の全体図である. 右手前には, 材料となる木材, 左側には工具類が見える. 下の写真は, 作業している側から見た拡大図である.



もう少し拡大するとこのようになる. この手摺りとかパイプ類が全て手作りである.



最後には, エンジン(モーター)をつけて, 近くの池に浮かべるそうである.
少年時代に, もう少し簡単な模型を作って, やはり池に浮かべていたことを思い出した.
単なる模型ではなくて, 実際に水に浮かび, 進む船なのである.

K君は, 近くの大学で絵を習っているとのこと. そのうちの1枚を持ってきて見せてもらった.




この絵は, 耶馬渓の石橋, 通称オランダ橋と呼ばれているもので, 日本で一番長い8連の石造りアーチ橋だそうである.
私は絵心が全くないので, 「うまいな〜」という程度の感想しか言えないが, 確かにうまい. K君の話しでは, 近くは石一つ一つを描いているが, 遠方はベタになり, その途中をいかに連続に, かつ自然にぼかしていくかなどは難しいんたよ, と言っていたが, 確かにそう言われてよく見ると難しいことは分かる. それだけではなくて, やはり視点をどこに置いて, 構図を決めて, 描き始めるか, などはきちんと習わないと描けないのだろうと実感した. やはり絵は写真よりもインパクトがある.

しばらくN君の家で懇談して, 帰りは福岡空港まで送ろうと言ってくれたが, 遠いので, 小 倉駅まで送ってもらった.
小倉-博多は, 新幹線だと20分弱, 在来線快速だと1時間なので, いつもは新幹線だが, K君が途中の駅で降りるので, 福岡までは在来線で行くこととした. 久しぶりの在来線であった. 車中でK君との昔話しに花が咲いたのは言うまでもない.