10月7日() サラゴサ観光

この日 の当初の予定は, クエンカ.だったが, 今回の旅行で最大のハブニングが発生した.

ホテルを出てアトーチャ駅に行き, 出発ホームの表示のスクリーンを探したが, 出ていない. 日本では, ホームはほぼ固定しているが, マドリードでは, 直前にならないと出発ホームが決まらない. 駅員に聞くと, Villaverde Bajoと切符に書いてもらった. この方面行きのホームを指示されたと思って, そのホームで出発列車の案内をずっと待ったが, いつまで待っても出て来ない. 他の乗客にクエンカ行きの切符を見せても, よく分からないという. 旅行者にとっては有名でも, 地元の人にとっては, 知名度が低いのだろう.

結局,
アトーチャ駅の隣のVillaverde Bajo駅から出発するということが分かって, あわててその駅に行ったが, タッチの差で列車は出た後だった.
マドリードの遠距離列車は, 北に向かうチャマルティン駅と南に向かうアトーチャ駅ということになっていて, 旅行ガイドにもそのように書いてある.
Villaverde Bajo駅はこの二つのターミナル駅とは違って, ちいさな駅だが, たぶんアトーチャのホームが足りなくて, ローカル列車の始発にしたのだろうが, 後でチケットをよく眺めると, 確かに, 左下に, Transbordo en V.Bajo Salida V.Bajo:8:58と書いてあった. Transbordo は乗り換え, Salidaは出口なので, 「発駅はV.Bajo, そこで乗り換え」という意味だろう. いい経験になった.

昼頃まで次の列車はない. 困っていたら, 家内が, サラゴサに行こうと言い出した. クエンカは, 最終日に組み込んだ予定を変更すればいいということだ. サラゴサは, 旅行の計画の段階で, 少し遠いのであきらめていたのを復活させようという案である. ちなみに, 毎回, 旅行の骨格は家内が作って, 私はもっぱらホテルや切符の手配係という分担なので, 緊急の行程変更などは, 家内が考えることになっている.


アトーチャ駅の窓口で, サラゴサの切符の予約と, クエンカの再予約を頼んだ. インターネットの早期予約よりかなり高くなったり, 本日の予約のキャンセル料もかかったが, 何とか予約出来た. 二人で往復€278.3+クエンカ再予約€26.9, ちょっと痛い出費ではあった.


アトーチャ駅は, 植物園のようになっており, 高い天井と熱帯植物が見事である.


アトーチャ駅


時刻

時刻
列車名
Madrid-Puerta de Atocha
10:30
Zaragoza-Delicias
11:48
AVE(No.03103)

短い乗車時間だが, 車内で食事が出た. ヨーロッパの車内は, 地下鉄や近距離も含めて, ほとんど案内放送もなく, 静かである. 日本はなぜあんなに絶え間なく放送するのか, 不思議になるくらいである.


車内で食事

サラゴサ駅前からサン・パブロ教会までタクシーに乗った. 八角形の鐘楼がある.


サン・パブロ教会


中央祭壇


鮮やかな絵画


北側の門の彫刻

教会の東側にあるマーケットを通り抜ける.


マーケット

マーケットの北側, エブロ川沿いにある, スーダの塔に登る.


スーダの塔

塔に登ると市内が見渡せる. 東側にピラール教会が見える.


塔から見た東側の風景(ピラール教会)

さらにその右側にラ・セオが見える.


ラ・セオ


南側の景色


ピラール聖母教会

次にむかったのは, ラ・セオ. 正式名称は, サン・サルバドール大聖堂.


ラ・セオ






ラ・セオの中の美しい装飾

旧市街の北側に流れるエブロ川にかかっているピエドロ橋は, ローマ時代に作られたもの. かなりがっしりとしている. 橋の根元には, 大きな12角形の石の柱が数本埋め込まれている. 何とも素晴らしい橋である. 橋の出入り口には, ライオンの像が, 高い柱の上に飾られている. たぶん守り神であろう. ただ, 橋は, 頑丈なわりには, 幅が狭く, バスが通ると, いかにも狭い.


ピエドラ橋

旅行ガイドには, 川の対岸から眺めた旧市街も美しいと書いてあった. そのとおり, 素晴らしい眺めである.


対岸から眺めた旧市街

再び旧市街に戻って, カエサラウグスタ(Caesaraugusta)劇場を訪問. 名前から分かるように, カエサルとアウグストゥスの名前が組み合わされている. カエサラウグスタとは, サラゴサの旧名で, アウグストゥスによって築かれたローマの植民都市である. 1972年に建築現場から偶然に発掘されたとのことである.


カエサラウグスタ劇場

館内には, いろいろな解説が述べてあったが, 階段状の椅子席は, 当時は, 下の写真のように, 大理石で覆われていたらしい. さぞかし豪華なものだっただろう. 解説によると, 1世紀前半に建築が始まり, 後半に完成. 3世紀には劇場が奪われたと書いてあり, 解体している図が載っていた.


大理石の階段状の椅子

スペイン広場と独立通りを少し散策し, コソ通りを抜けて, コンデ・デ・アランダ通りを通って, アルハフェリア宮殿に徒歩で向かった. スペイン広場から宮殿までは2km弱である. 旅行ガイドでは, 16:30から開いているはずが, 休みになっていた. 仕方なく, 宮殿の周りを散策.




アルハフェリア宮殿

宮殿から駅までさらに2km弱の道のりを歩いた. 気温が26℃で, かなり暑い. サラゴサはスペイン第5の都市だけあって, 駅も大きい. ホームが1階で, 乗客は, 2階の通路を移動する. 階段が, 前と後ろにしかないので, かなり歩かなければならない.


サラゴサ駅のホーム

車内では軽食が出て, 飲物も選べるので, ワインを頼んだ.


時刻

時刻
列車名
Zaragoza-Delicias
17:50
Madrid-Puerta de Atocha 19:18
AVE(No.03162)

この日の歩数 27,391歩

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